小学校では英語が正式に科目になり、英語の重要性がますます高まっているように思えます。当塾にもありがたいことに、小学生の子を持つ保護者様からお問い合わせがございます。小学生の英語の勉強法ですが、その子がどのくらいできるか、学年によって勉強法が変わってきます。簡単にまとめましたので、ご参考になればと思います。
これから英語を習う場合
文法をしっかりと教えるのはNG
中学生の英語の授業は、しっかりと文法を教えていきますが、小学生に対しては最初から文法をがっつりと教えない方が良いです。特に小学生特に低学年の子にはやめておきましょう。最大の理由は、英語が嫌いになるからです。小学校低学年の子だと、まだ文法という概念が難しく理解ができない場合が多いです。難しく理解できないものをひたすらさせるのは、子供に限らず、大抵の人が嫌になります。中学生で使うような英語の問題集などを使っての英語の勉強はやめておきましょう。小学校5年生、6年生の子にでしたら、少しずつ教えるのは良いですが、難しい文法用語を使うのではなく、なるべく絵や写真を使って説明するのが良いです。
最初は絵や写真を可能な限り使う
文法を使って教える代わりに、絵や写真を使い、イメージさせながら勉強しましょう。英語を日本訳に結びつけるのではなく、可能な限りはイメージに結び付けるようにしましょう。apple = リンゴというより、appleと聞いて、リンゴの絵が頭の中に思い浮かぶのが理想的です。単語帳などは、絵と例文がセットになっているものがおススメです。絵を見ながら英語を声に出して繰り返し読んでいくと、自然と理解できるようになってきます。また、最初の方は絵本もおススメです。日本語の絵本がたくさんあるように、英語の絵本もたくさんあります。英語が分からなくても、文を読んで絵を見ればなんとなく物語が分かるような絵本もたくさんあります。最初のうちは、絵と例文がセットになっている単語帳と絵本の音読をおススメしております。
帰納法と演繹法
帰納法と演繹法という言葉をご存じでしょうか。
「帰納法」とは、複数の事実から共通点を見出し、それを根拠に結論を導き出すという推論法です。
https://next.rikunabi.com/journal/20161101_s7/
「演繹法」とは、前提となるルールに、目の前で起きている物事を当てはめ、「当てはまるかどうか」で結論を出すという推論法です。
https://next.rikunabi.com/journal/20161101_s7/
英語の例で言うと、3単現のSです。He plays soccerという文があり、文法を教える時は、3人称・単数・現在形の時に動詞にSがつくと教えます。帰納法では、たくさんの例文を見て、「HeやSheやItの時はSがつく」と気づいていきます。小学校低学年の子に、3人称という難しい言葉で教えるより、HeやSheの時はSがついてくると自分で気づいてこれるようになります。小学校低学年のうちは、帰納法で勉強する方がおススメです。すなわち、絵やイメージのついた単語帳や絵本の英文をたくさん読んでいき、ルールを学んでいくという方法です。単語帳や絵本を声に出してたくさん読んでいくことで、英語の使い方や発音、リスニングなどがだんだん分かってきます。
最初のうちは、たくさんの文を読む
英語習いたての場合だと、まだ何が正しくて、何が正しくないのか見分けるのが難しいです。なので、最初は簡単な正しい英語の文をたくさん声に出してインプットをするのがおススメです。最初は単語帳の例文、絵本がおススメで、慣れてきたら英検5級の問題もおススメです。たくさん正しい英文を声に出して読んで、最初は何となくで良いので、パターンを覚えていきます。余裕がありそうなら、軽く文法の説明しても良いです。文法用語を使って、しっかりと説明するのはあまり良くありません。色んな英文を声に出して読んでいけば、レベルアップしていきます。色々な英文に触れれば、色々な表現方法や英単語を覚えていきます。
リスニングを上げていく
小学生のうちは、中学生や高校生と比べてリスニングの能力が上がりやすいです。勉強方法は音読ですが、音読をする際に、ネイティブが発音している音源をマネて発音することです。単語帳は基本的に、ネイティブの音源がついているので、それを徹底的にマネて、ネイティブが発音しているように、自分が発音できるようにしてください。最初は難しいかもしれませんが、徐々に慣れていきます。基本的に、黙って英語の勉強するのはNGです。場所が許す限り、音を聞いて、その音をマネて声に出してください。小学生で英検合格する子は、リスニングパートが満点近く取れている子が多いです。ちゃんとした勉強法で勉強して、対策すればそこまで難しくはありません。
英語をある程度勉強している場合
英語を使っていく練習
幼稚園の頃から、英語を勉強していて、既に英検5級・英検4級を取得している子の場合、どんどん英語を使っていく練習をしましょう。英検3級から、英作文と2次試験でスピーキングがあります。これの対策は、英語を使うのにちょうど良い練習になります。既に、英検4級を取得している場合は、英検3級の英作文の対策で英語を使う練習をしましょう。また、写真描写や英語での簡単な質問の受け答えも良い練習になります。
挿絵無しの英語の文章
ある程度英語が読めるようになってきたら、少しずつ挿絵がない英文を読めて理解できるようにしていきましょう。英語のレベルが上がっていくと、基本的に英文には挿絵が付いてきません。英検の問題では、リスニングの問題には、3級まで挿絵が付いていますが、準2級以降には一切挿絵が付いてきません。少しずつ英語の文のレベルを上げていく方が良いです。
難しいトピックの英文はNG
英検3級までは、そこまで難しいトピックの英文を目にしないかもしれません。英検準2級になると、長文で難しいトピックの英文が出てきます。英検2級になると、長文の内容はさらに難しくなります。基本的に、日本語や英語関係なく、自分が理解できないトピックは無視しましょう。無理矢理やらせると、英語嫌いになってしまいます。英検準2級、2級の長文の内容は、中学生や高校生でさえも理解するのが難しい内容が入っています。それを小学生に理解させようとするのには無理があります。本人がそういった難しいトピックに興味があるなら別ですが、そうでない場合はやらない方がいいです。
小学生の英語の勉強方法 – まとめ
小学生のうちは、文法にそこまで頼らず、色々な英文を目にして、実際に声に出して読んでいくのがおススメです。最初は、単語帳や絵本がおススメで、そこから徐々にレベルアップをしていきましょう。ただし、難しすぎるトピックは基本的にNGです。文法に頼らない代わりに、その分、絵やイメージをフル活用していきましょう。慣れてきたら、徐々に英語を使う練習をしてみるのも良いです。